2014年5月アーカイブ

万が一身内が亡くなってしまったら、相続人間で、遺産の分け方についての話し合いがなされると思います。この話し合いを、遺産分割協議といいます。
遺産には、預貯金や現金、生命保険、家財や会社の株式など、さまざまな種類があります。これらの遺産の範囲を確定し、また、相続人の範囲を確定した上で、各相続人の特別受益や寄与分などについても配慮したうえで具体的相続分を算定して、全員の合意により協議をまとめなければいけません。行方不明の相続人や認知症の相続人がいても、これらの相続人を除外して行った協議は無効となります。ちゃんと、不在者の財産管理人の選任、成年後見人の選任を行い、これらの相続人の権利が守られるようなかたちで協議を進める必要があります。
遺産分割協議の方法には、3種類あります。現物分割という方法は、もっとも原則的な方法で、各相続人に遺産の現物を相続させる方法です。これに対して、代償分割という方法もあります。この方法では、相続人の一人又は数人が遺産の現物を取得し、他の相続人にはその相続分に該当する代償金を支払うというような方法です。さらに、換価分割という方法もあります。これは、遺産を売却して代金を相続分の割合に応じて各相続人に分割するという方法になります。
遺産分割協議において問題となるのが、相続税の問題です。相続税には各種の控除が認められるケースがあるのですが、遺産を誰が引き継ぐのかにより、利用できる控除とできない控除があるのです。たとえば、小規模宅地の減税という制度があります。相続財産のうち、一定の面積以下の居住用宅地等について、相続税を減算するものです。この特例を受けようと思えば、その宅地等を相続する方が亡くなった方の配偶者であったり、被相続人の同居親族で、保有継続かつ居住継続する場合であったり、被相続人と生計を一にする親族で、保有継続かつ居住継続する場合であったりなど、ケースが限定されるのです。
このような特例を知らず、不利な相続をしてしまうこともあるでしょう。そのようなことがないようにするためにも、税金のプロである税理士に相談を依頼する方法があります。税理士に依頼すれば、もっとも税金面で有利な遺産分割割合を提案してもらえますし、相続税の申告についてもサポートしてもらうことが可能になります。素人では知識がないのも当たり前ですし、間違った認識で家族での話し合いをするのは良くありません。
専門家なら、法律と実績例からのアドバイスと、依頼者へのサポートなども安心して任せられるのです。相続税が発生しそうな場合、遺産が基礎控除の範囲を超えそうであったら、まずは慌てずに、税金のプロである税理士にお問い合わせしてみましょう。